作成日:2025.12.03 更新日: 2025.12.29
Accessサポート終了でどうなる?代替システムへの移行ポイントと対応策を解説

Accessのサポート終了が進む今、早めに代替システムへの移行を検討することが重要です。
サポートが切れると、セキュリティ更新が止まり、OSとの互換性も崩れやすくなります。業務データを扱う企業では、予期しないトラブルによって作業が滞ったり、情報漏えいの負担が大きくなったりする可能性があるため注意が必要です。
サポート終了の時期を理解し、適切な移行先を選ぶことで、業務を安全に継続しやすくなります。この記事では移行の判断基準や比較ポイントを整理し、最適なシステム選びにつながる知識をまとめました。読み終える頃には、何から準備を始めるべきかが明確になります。
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目次
【バージョン別】Accessのサポート終了スケジュールまとめ

Accessのサポート期間はバージョンによって異なります。企業が管理するデータベースの安全性を維持するには、現在利用中のバージョンがいつサポート終了を迎えるのかを正確に把握することが重要です。
特に、延長サポートが終了するとセキュリティ更新が止まり、脆弱性リスクが急激に高まります。まずは現状を整理し、自社の環境がどの段階にあるのかを確認することが移行計画の第一歩です。
以下に主要バージョンのサポート終了時期をまとめました。最新情報はMicrosoft公式ドキュメントで更新されるため、定期的な確認をおすすめします。
サポートが終了したAccessを使い続けるリスク

Accessのサポートが終了すると、最初に影響を受けるのがセキュリティ更新です。更新停止後は脆弱性が修正されない状態となり、攻撃対象になりやすくなります。また、OSやMicrosoft 365との互換性が段階的に失われ、予期しない動作不良も起こりやすくなります。
ここでは、サポートが終了したAccessを使い続けるリスクを4つ紹介します。
- ▼サポートが終了したAccessを使い続けるリスク
- セキュリティ更新が止まり脆弱性が増す
- OSや他システムとの互換性が崩れる
- トラブル発生時にサポートを受けられない
- 新機能が提供されず業務効率が下がる
セキュリティ更新が止まり脆弱性が増す
Accessのサポートが終了すると、セキュリティ更新が提供されない状態が続きます。新たな脆弱性が発見されても修正されず、外部からの攻撃を受ける可能性が高くなります。
Accessはデータ管理に利用されることが多く、顧客情報や請求情報など機密性の高いデータが含まれるケースも多いです。更新が止まった環境では脆弱性診断ツールが警告を出しても対応策が限られます。内部統制の観点からも問題が残り、監査で改善を求められる可能性があります。
社内ネットワークで利用しても、ゼロデイ攻撃やマルウェア侵入を完全に防ぐことは困難です。安全性を維持するには、サポート期間中の移行検討が欠かせません。
OSや他システムとの互換性が崩れる
AccessはWindowsやMicrosoft 365との連携度が高く、周辺環境の更新に影響を受けやすい仕組みです。サポートが終了した後は動作保証がなくなり、Windows Updateをきっかけにフォームの表示不具合や印刷機能の停止が起こる場合があります。
外部アプリケーションやドライバの更新が進むと、古いAccessでは対応できない場面も生じやすくなります。ExcelやOutlookとのデータ連携が機能しないケースもあり、自動処理が途中で止まる可能性があります。安定した環境で業務を続けるには、互換性が保たれる仕組みへ移行することが重要です。
トラブル発生時にサポートを受けられない
サポートが終了したAccessでは、障害発生時にMicrosoftから技術支援を受けられない状況となります。
データ破損やファイルの不具合が起きても、公式の修正パッチやガイドラインが提供されないため、問題解決に時間がかかりやすい点が課題です。複数人で同じファイルを利用する環境では、同時編集によってデータが壊れやすくなる傾向があります。原因が特定しづらいトラブルが起きると、社内だけで対応しきれず、外部の専門家に依頼する場面も増えがちです。
また、Accessと連携する他システムのベンダーも動作保証を行えないため、サポート範囲が曖昧になり、復旧作業が複雑になる可能性があります。業務が止まるリスクを抑えるには、サポート対象の環境へ移行して、問題が起きたときの対応手段を確保しておくことが重要です。
新機能が提供されず業務効率が下がる
Accessのサポートが終了すると、新しい機能や改善プログラムが届かない状態が続きます。利用環境がそのまま固定されるため、業務内容の変化に合わせて使い方を最適化しにくくなるのです。
入力作業や集計処理の負担が徐々に増えることもあり、現場の効率に影響が出やすくなります。また、他システムやクラウドサービスの機能が進化しても、旧バージョンのAccessでは十分に活用できません。外部サービスとの連携も制限され、業務全体の改善が進みにくくなる状況が生まれます。継続的に機能を活用できる基盤へ移行することが重要です。
Accessから代替システムへ移行する際のポイント

Accessから別のシステムへ移行する際は、現在の業務をどのように支えているかを正確に把握することが重要です。
ここでは、代替システムへ移行する際のポイントを4つ紹介します。
- ▼Accessから代替システムへ移行する際のポイント
- データ構造と業務要件を正確に把握しておく
- 段階的に移行して業務停止を防ぐ
- 移行後の運用体制と権限設計を整える
- 移行コストと将来的な拡張性を考慮する
データ構造と業務要件を正確に把握しておく
Accessから移行する際は、まず現在のデータ構造を正確に整理することが欠かせません。テーブルの設計やリレーションの設定が複雑な場合、移行先で同じ仕組みを再現するには事前の分析が必要です。業務フローとデータの流れを可視化しておくと、移行時のトラブルを回避しやすくなります。
また、現場でどの機能が重要視されているのかを明確にし、代替システムでも同じ作業が再現できるかを確認することが重要です。
機能の置き換えが難しい箇所は、移行段階で方式を変更するなど柔軟に対応する必要があります。
段階的に移行して業務停止を防ぐ
Accessからの移行は、一度にすべてを切り替える方法よりも、段階的に進める方法が現実的です。データ移行、画面やフォームの移行、権限設定の構築など、要素ごとに確認しながら進めることで、業務に影響が出るリスクを抑えられます。
移行期間を設定し、Accessと新システムを一定期間併用する体制を整えると、現場の負担も軽減できます。
移行作業に関わる担当者や部門との調整をしっかり行い、スケジュールを共有することが、スムーズな切り替えにつながります。
移行後の運用体制と権限設計を整える
移行が完了した後の運用体制を整備しておくことは、システムを安定して使ううえで欠かせない工程です。誰がデータを登録し、誰が承認し、誰が管理するのかといった役割分担を明確にしておく必要があります。
Accessでは曖昧になりやすかった権限設計も、移行先のシステムで適切に再構築しておくと、誤操作や情報漏えいの防止につながります。
また、移行後のサポート体制も重要で、問い合わせ窓口や改善依頼のフローを決めておくと、トラブル発生時の対応がしやすくなります。
移行コストと将来的な拡張性を考慮する
Accessから移行する際は、初期費用だけで判断するのではなく、運用コストや将来的な拡張性を総合的に比較することが重要です。
例えば、クラウド型システムの場合は月額費用が発生する一方で、サーバ管理やバックアップの負担が軽くなる利点があります。
また、他システムとの連携機能がどの程度備わっているかも、業務改善を進めるうえで重要な指標です。短期的な費用だけでなく、将来の事業計画に合わせて選びましょう。
Accessからの移行におすすめなシステム5選

Accessのサポート終了に備えるには、現場の運用に合った代替システムを選ぶことが重要です。移行先によって得意分野や拡張性が異なるため、機能・費用・用途を比較しながら選定すると失敗が少なくなります。
ここでは、業務管理やデータベース運用で利用される主要な5つを紹介します。
▼Accessからの移行におすすめなシステム比較表
※気になるシステム名をクリックすると詳細に移動できます
シクミネット|会員管理や業務DBを一元化できる

引用元:シクミネット
シクミネットは、会員管理や入金処理、イベント申し込みなど、Accessで個別に管理していたデータをひとつのクラウド環境で扱える業務基盤です。画面構成が整理されており、利用者が必要な情報をすぐに確認できます。
Accessで作っていた名簿管理や受付業務の機能をまとめて置き換えられるため、ツールの分散による情報の混乱を防ぎやすい点が魅力です。
ITに慣れていない担当者でも操作しやすいよう設計されており、個別設定を行わなくても主要機能をすぐに利用できます。
kintone|ノーコードで業務アプリを簡単構築

引用元:kintone
kintone(キントーン)は、専門的な開発知識がなくても業務データベースを構築できるクラウド型プラットフォームです。Accessで管理していた顧客情報や申請データを、ドラッグ操作だけでアプリ化できるため、現場主導で仕組みを再構築しやすい環境が整っています。
入力項目や画面レイアウトも自由に調整でき、業務フローに合わせて設計を変えられる点が特徴です。外部システムとの連携にも強く、会計ツールやメール配信サービス、人事システムなどをAPIで接続できます。
FileMaker|Access代替として根強い人気のローカルDB

引用元:FileMaker
FileMakerは、Accessの運用で慣れていた画面設計や処理構造を比較的再現しやすいデータベース基盤です。レイアウト編集の自由度が高く、入力画面や帳票を直感的に作成できるため、利用者に合わせた画面を細かく調整できます。
繰り返し作業を自動化するための設定も用意されており、Accessで「マクロ」や「VBA」を使っていた場合でも近い形で置き換えられる点も魅力です。
SmartDB|ワークフロー連携が強い国産業務基盤

引用元:SmartDB
SmartDBは、社内で行う申請や書類のやり取りをまとめて管理できるクラウド型の業務ツールです。稟議、申請書、報告書など、紙やExcelで扱っていた情報をオンラインで整理できるため、担当者同士の確認作業がスムーズになります。
Accessで作っていた申請画面や記録用フォームも、Web上で簡単に置き換えられる仕組みがそろっています。画面の入力項目を追加したり、承認ルートを変えたりする作業も、専門知識がなくても設定可能です。
Microsoft Dataverse|Microsoft 365と連携しやすい

Microsoft Dataverseは、Microsoft 365の中で使えるデータ保存の仕組みで、Accessにあるデータをクラウド上に移して管理しやすくするサービスです。
同じMicrosoft製品との相性が良く、TeamsやOutlook、Power Automateと組み合わせることで、日常の業務を自動化しやすい点が特徴です。Accessで作っていた入力画面は、Power Appsを使って置き換えられ、スマホやタブレットでも使えるアプリとして再利用できます。
Accessサポート終了に関するよくある質問

Accessのサポート終了は、業務の継続性やデータの安全性に直結する問題です。
ここでは、Accessサポート終了に関するよくある質問に回答します。
- ▼Accessサポート終了に関するよくある質問
- Accessはいつまで使える?
- Accessで作ったファイルをクラウドに移行できる?
- 移行費用の目安はどのくらい?
- Accessのサポート終了後はどうなる?
Accessはいつまで使える?
Accessが「いつまで使えるか」は、利用しているバージョンによって異なります。サポート期間が続いている場合は更新プログラムが配信されますが、終了したバージョンでは更新が提供されず、利用自体はできても安全性が保てません。
サポート期間内に移行準備を進めることが安心につながります。
Accessで作ったファイルをクラウドに移行できる?
Accessで作成したファイルは、そのままの形でクラウドに置くことはできませんが、データを移行してクラウド上で扱うことは可能です。方法はいくつかあり、kintoneやシクミネットのようなクラウドサービスにデータを取り込み、新しい管理画面を作る方法があります。
また、Microsoft環境で運用している企業であれば、Dataverseを使い、Power Appsで画面を再構築する方法も選択肢の一つです。
クラウド移行は安全性や拠点間連携の面でメリットがありますが、事前整理を進めることで移行後のトラブルを抑えやすい環境になります。
移行費用の目安はどのくらい?
移行費用は、データ量、画面数、既存の自動処理の複雑さによって大きく変わります。テンプレートを使って簡易的に移行する場合は、初期費用を抑えて導入できるクラウドサービスもあります。
一方、Accessで独自のVBAやマクロを多く利用している場合は、再構築の作業が増えるため、費用が高くなる傾向があります。一般的には、クラウドサービスの月額料金が数千円〜数万円程度、初期設定に数万円〜数十万円程度かかるケースが多いです。
Accessのサポート終了後はどうなる?
サポート終了後もAccessは起動できますが、更新プログラムが提供されなくなるため、安全性と安定性の面で大きな不安が残ります。脆弱性が修正されない状態が続くため、情報漏えいのリスクが高まり、内部統制の観点でも問題が残ります。
継続利用は可能でも、業務で使うデータが安全に守られない点が大きな課題です。そのため、サポート期限を迎える前に移行計画を立てておくことが重要になります。
まとめ|Accessのサポート終了に備えて早めに移行しよう

本記事では、Accessのサポート終了によって生じるリスクや、移行先を検討する際の重要なポイントを整理しました。
サポートが切れると更新が止まり、安全性や安定性に影響が出る可能性があります。業務データを守るためには、サポート期間内に移行計画を立てることが欠かせません。データ構造の整理、段階的な切り替え、移行後の運用体制づくりを進めておくと、スムーズに環境を移せます。
Accessで管理していた仕組みは、クラウド型サービスや業務アプリ基盤で再構築が可能です。自社の業務に合った選択肢を見極め、早めに準備を進めることが、安全な運用につながります。









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