作成日:2025.11.11 更新日:
中小企業におすすめの顧客管理システム(CRM)8選|選び方も解説

中小企業では、顧客情報が担当者ごとに分かれて管理され、営業活動や顧客対応が非効率になりがちです。こうした課題を解決するのが「顧客管理システム(CRM)」です。
CRMを導入すれば、顧客データを一元化し、営業やフォローをスムーズに進められます。
この記事では、中小企業におすすめのCRM8選と、失敗しない選び方・導入のポイントをわかりやすく解説します。自社に合ったCRMを見つけ、売上アップと顧客満足度向上の両立を目指しましょう。
目次
中小企業向け顧客管理システム(CRM)の選び方

顧客管理システムを導入する際は、「何のために導入するのか」を明確にし、自社の業務に合ったツールを選ぶことが重要です。システムによって得意分野や機能が異なるため、目的を整理せず導入すると運用が定着しません。
ここでは、CRMを導入する前に確認すべき4つのポイントを解説します。
- ▼中小企業向け顧客管理システム(CRM)の選び方
- 導入目的を明確にする(営業支援・顧客フォローなど)
- 自社の業務フローに合う機能を確認する
- クラウド型かオンプレ型かを比較する
- 導入コストと運用コストを把握する
導入目的を明確にする(営業支援・顧客フォローなど)
まず最初に、CRM導入の目的をはっきりさせることが欠かせません。営業活動の効率化を狙うのか、顧客フォローやリピート促進を重視するのかによって、選ぶシステムが変わります。
例えば、営業支援を目的とする場合は、商談管理や進捗可視化、売上予測といった機能を備えたツールが効果的です。一方、顧客フォローを重視するなら、メール配信やアンケート管理、会員管理機能などを持つCRMが適しています。
まずは、改善したい業務課題を明確化し、その解決に直結する機能を持つシステムを選びましょう。
自社の業務フローに合う機能を確認する
CRM選定では、自社の業務フローとの整合性が極めて重要です。
例えば、顧客情報を営業・サポート・会計など複数部署で共有する企業では、権限設定やアクセス制御が柔軟なツールが求められます。反対に、営業部門中心で使う場合は、見込み客管理や案件進捗の共有機能が使いやすいシステムを選ぶと効果的です。
導入前には、現在の業務プロセスを可視化し、どの作業をシステム化するかを整理しておくとスムーズです。
クラウド型かオンプレ型かを比較する
CRMには大きく分けて「クラウド型」と「オンプレ型」があります。
クラウド型はインターネット経由で利用でき、初期費用を抑えてスピーディに導入できる点が魅力です。中小企業ではこの形態を採用するケースが増えています。
一方、オンプレ型は自社サーバーにシステムを構築するため、セキュリティやカスタマイズ性を重視したい企業に適しています。ただし、サーバー運用やメンテナンスの手間が発生します。
自社のITリソースや運用体制を踏まえて、どちらがより効率的かを検討しましょう。
導入コストと運用コストを把握する
CRMの導入では、初期費用だけでなく、運用コストを含めた総額を把握することが大切です。
クラウド型の場合、月額制が一般的で、利用人数や機能によって料金が変わります。オンプレ型は初期投資が高いものの、長期的にはコストを抑えられる場合もあります。
さらに、設定・カスタマイズ費用、サポート費用、教育コストなども見落とせません。導入効果を最大化するためには、費用対効果を定量的に比較することが重要です。
単に価格だけで判断せず、自社にとって必要十分な機能とサポートを備えたCRMを選びましょう。
中小企業におすすめの顧客管理システム(CRM)8選

中小企業が顧客との関係を深め、効率的に営業を進めるためには、顧客管理システム(CRM)の導入が欠かせません。
ここでは、中小企業でも導入しやすく、コスト・機能・サポート体制のバランスに優れたおすすめのCRMを8つ紹介します。各サービスの特徴や費用、導入目的を比較し、自社の課題に最適なシステムを見つけましょう。
▼中小企業におすすめの顧客管理システムの比較表
※気になるサービス名をクリックすると詳細に移動できます
シクミネット|会員・顧客管理に強い国産CRM

引用元:シクミネット
シクミネットは、中小企業や各種団体に向けて設計された統合型の顧客・会員管理システムです。
会員情報の登録から入金処理、イベント申し込み、メール配信までを一つのプラットフォームで完結できます。複数のツールを併用する必要がなく、少人数で事務業務を担う組織でも効率的に運営できる点が大きな魅力です。
画面設計はシンプルで、事務担当者だけでなく、パソコン操作に不慣れなスタッフや年配の会員でも直感的に利用できます。加えて、入力が難しい利用者の代わりに管理者が操作できる機能も備わっており、現場の運用実態に合わせた柔軟な対応が可能です。
HubSpot CRM|無料で始められるマーケ連携型CRM

引用元:Hubspot
HubSpotは、CRM機能を基盤とした顧客・会員管理に強みを持つクラウド型システムです。会員情報の蓄積や分析だけでなく、メール配信やフォーム作成、チャット機能まで統合されており、マーケティングから会員サポートまで幅広く活用できます。
無料プランでも基本的な会員データ管理やメール配信を利用できるため、まずはコストをかけずに導入を検討したい中小規模の団体や企業に適しています。
将来的に必要な機能が増えた場合も、上位プランに拡張することで営業支援や高度なマーケティングオートメーションまでカバー可能です。
kintone|業務に合わせてカスタマイズできる国産CRM

引用元:kintone
kintone(キントーン)は、中小企業の業務を効率化できるノーコード型のクラウドプラットフォームです。専門的なIT知識がなくても、自社の運営形態に合わせて会員管理アプリを簡単に構築できます。
名簿管理やイベント申し込み、問い合わせ対応などを自社の業務フローに合わせて設計でき、少人数のチームでも柔軟に運用できる点が特長です。
さらに、APIを活用すれば外部システムとの連携も容易で、決済処理やメール配信ツールなどを統合して利用できます。業務全体をスムーズに管理したい中小企業に最適なサービスです。
Zoho CRM|低コストで高機能な海外発クラウドCRM

引用元:Zoho CRM
Zoho CRMは、名簿管理と営業活動を一体化できるクラウド型の顧客管理システムです。シンプルでわかりやすい操作画面と低コストな料金設定により、初めてCRMを導入する中小企業や小規模組織にも適しています。
顧客や会員の属性情報、商談履歴、アクティビティをまとめて管理できるほか、メール配信やリードスコアリングなどの自動化機能も搭載されています。
3ユーザーまで無料で利用できるフリープランも用意されており、コストを抑えながら効果的に営業・顧客対応を強化したい企業におすすめです。
esm(eセールスマネージャー)|現場定着率の高い国産CRM

引用元:esm(eセールスマネージャー)
esm(eセールスマネージャー)は、営業現場での“使いやすさ”に徹底的にこだわった国産CRMです。
商談履歴やスケジュール、日報などを一つの画面で簡単に入力・共有でき、入力作業の負担を大幅に軽減します。スマートフォンアプリにも対応しており、外出先からでも商談内容や顧客情報をすぐに更新できる点も魅力です。
また、案件の進捗や売上見込みをリアルタイムで可視化できるダッシュボード機能を搭載。営業マネージャーはチーム全体の動きを把握しやすく、目標達成に向けたフォローアップがしやすくなります。
Sansan|名刺管理から顧客関係を深めるCRM

引用元:Sansan
Sansanは、名刺管理を軸に顧客データを自動で整理・共有できる国産のクラウド型CRMです。
名刺をスキャンするだけで、部署や役職などの情報を正確にデータ化し、社内全体で共有できます。社員同士の人脈を「見える化」することで、社内外のつながりを活かした営業・協業のチャンスを広げられる点が最大の特長です。
Smart Hello|会員管理やイベント運営を一括管理できる国産CRM

引用元:Smart Hello
Smart Helloは、会員管理・イベント運営・入金処理を一元化できる国産のクラウド型CRMです。団体や協会、スクールなど、会員との多様な接点を持つ組織に特化して設計されています。
顧客情報の登録や更新、イベント申し込み、会費徴収、メール配信までを一つのシステムで完結できるため、複数ツールを切り替える手間を省き、事務負担を大幅に削減します。
スマートコア|多機能かつ柔軟にカスタマイズできる

引用元:スマートコア
スマートコアは、業務内容に合わせて自由に構築できる高機能な国産CRMです。
営業・顧客管理・販売・サポートなど、複数の業務を一元化できる点が特長で、部門ごとに異なるフローを持つ企業でも柔軟に対応できます。オンプレミス型とクラウド型の両方に対応しており、セキュリティポリシーや運用体制に合わせて導入形態を選べるのも大きな魅力です。
中小企業が顧客管理システムを導入するメリット

中小企業にとって、顧客管理システム(CRM)の導入は「業務効率化」と「顧客満足度向上」の両面で大きな効果をもたらします。
ここでは、具体的な3つのメリットを解説します。
- ▼中小企業が顧客管理システムを導入するメリット
- 顧客情報を一元管理できる
- 営業活動の効率化につながる
- 顧客満足度の向上につながる
顧客情報を一元管理できる
顧客管理システムの最大の利点は、顧客情報を一か所にまとめて管理できる点です。
エクセルや紙の台帳では、担当者ごとにデータが分散し、更新漏れや重複登録が発生しがちです。CRMを導入すれば、顧客の基本情報、過去の取引履歴、問い合わせ内容などをリアルタイムで共有できます。
部署をまたいだ情報共有もスムーズになり、営業担当が不在でも他の社員が迅速に対応できるようになります。
営業活動の効率化につながる
CRMを活用すれば、顧客情報と営業活動を自動で紐づけられ、商談の進捗状況や受注見込みを「見える化」できます。そのため、営業担当は優先度の高い顧客を的確に把握し、効率的なアプローチが可能になります。
また、過去の購入履歴や問い合わせ履歴から、リピート提案やアップセルのチャンスを発見することも容易です。レポート機能を使えば、営業活動の成果をデータとして分析でき、属人的な営業から脱却できます。
顧客満足度の向上につながる
顧客情報が整理されることで、顧客ごとに最適な対応ができるようになります。問い合わせの履歴や過去の対応内容をすぐに確認できるため、応対の質を高め、顧客との信頼関係を強化できます。
また、CRMを通じて誕生日メールやフォローアップメッセージを自動配信するなど、顧客一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションも可能です。結果として、リピート率や紹介率が向上し、長期的な顧客関係を築けます。
中小企業が顧客管理システムを導入するデメリット

顧客管理システム(CRM)は多くの利点をもたらしますが、導入にはいくつかの注意点もあります。費用や運用負担、社内の理解不足などが原因で定着しないケースもあるため、あらかじめリスクを把握しておくことが大切です。
ここでは、中小企業がCRMを導入する際に直面しやすい3つのデメリットを紹介します。
- ▼中小企業が顧客管理システムを導入するデメリット
- 初期費用・ランニングコストがかかる
- 社員の運用負担が一時的に増える
- 社内のITリテラシーに左右される
初期費用・ランニングコストがかかる
CRMは無料で始められるものもありますが、本格的に運用する場合は初期設定やカスタマイズ、データ移行などにコストが発生します。さらに、クラウド型であれば月額利用料、オンプレミス型であれば保守費用やサーバー費用も必要です。
特に中小企業では、導入当初の費用対効果が見えにくく、投資をためらうケースもあります。初期費用を抑えたい場合は、無料トライアルやスモールスタートを活用するのも一つの方法です。
社員の運用負担が一時的に増える
システム導入直後は、データの整理や登録作業、操作方法の習得など、新たな業務が一時的に発生します。慣れるまでは入力の手間がかかり、かえって作業効率が下がると感じる社員も少なくありません。
また、従来の管理方法を好む社員が抵抗感を持つ場合もあり、運用定着までに時間がかかるケースもあります。導入時には、操作マニュアルの整備や研修を実施し、全員が安心して使える体制を整えることが重要です。
社内のITリテラシーに左右される
CRMの活用効果は、社内のITスキルやシステムへの理解度に大きく左右されます。操作が難しいと感じる社員が多い場合、せっかく導入してもデータが更新されず、情報が古くなるリスクがあります。
また、システムを十分に使いこなせないまま運用が形骸化することもあります。トラブルを防ぐには、誰でも使いやすいインターフェースを持つ製品を選び、導入後のサポート体制が整っているベンダーを選定することが大切です。
中小企業向け顧客管理システム(CRM)を導入する際の注意点

顧客管理システム(CRM)は、目的や体制を明確にせず導入すると「使われないシステム」になってしまうことも少なくありません。
特に中小企業では、リソースや予算が限られているため、事前準備と社内の連携が成功の鍵となります。ここでは、導入時に押さえておきたい5つの注意点を解説します。
- ▼中小企業向け顧客管理システム(CRM)を導入する際の注意点
- 目的が曖昧なまま導入しない
- 現場の意見を反映させる
- 運用ルールを導入前に整備する
- 初期設定やカスタマイズを複雑にしすぎない
- サポート体制とセキュリティを確認する
目的が曖昧なまま導入しない
最も多い失敗は、「とりあえず便利そうだから導入する」というケースです。目的が明確でないと、どの機能を活用すべきか判断できず、結果的に現場に定着しません。
導入前に「顧客情報の共有を効率化したい」「営業活動を可視化したい」「リピート率を高めたい」など、自社が解決したい課題を具体化することが重要です。
現場の意見を反映させる
CRMは現場で使われてこそ価値を発揮します。経営層だけで決定すると、実際の運用フローに合わず、社員が使いにくいシステムになることもあります。
導入時には、営業担当者や事務スタッフなど、実際に使う社員の意見を取り入れることが欠かせません。現場の課題を反映することで、導入後の定着率が格段に上がります。また、テスト運用期間を設けて操作性を確認するのも効果的です。
運用ルールを導入前に整備する
CRMを導入しても、入力ルールがバラバラではデータの信頼性が下がります。たとえば「顧客名の入力形式」「商談フェーズの更新タイミング」など、基本的な運用ルールを明確に定めておきましょう。
ルールを標準化することで、誰が入力しても同じ基準でデータを管理でき、分析の精度が高まります。また、担当者が変わってもスムーズに引き継ぎが行えるため、属人化の防止にもつながります。
初期設定やカスタマイズを複雑にしすぎない
多機能なCRMほど、最初から機能を詰め込みすぎると運用が煩雑になり、現場で使いにくくなります。特に導入初期は、最低限必要な機能からスタートし、運用が安定してから段階的にカスタマイズを進めるのが理想です。
また、設定作業をベンダー任せにせず、自社でも操作方法を理解しておくことが大切です。
サポート体制とセキュリティを確認する
導入後も安定的に運用するためには、サポート体制の充実度が重要です。トラブル発生時や設定変更時に迅速に対応してもらえるかを事前に確認しておきましょう。
また、顧客情報を扱うCRMではセキュリティ対策も欠かせません。通信の暗号化、アクセス権限の設定、バックアップ体制などを確認し、安心して運用できる環境を選ぶことが必要です。
中小企業向け顧客管理システム(CRM)に関するよくある質問

CRMの導入を検討する中小企業の多くは「本当に必要なのか」「効果はいつ出るのか」といった不安を抱えています。
ここでは、導入前によく寄せられる質問とその答えをまとめました。
- ▼中小企業向け顧客管理システム(CRM)に関するよくある質問
- CRMとSFAの違いは何ですか?
- どのくらいで効果が出ますか?
- 導入後に運用を定着させるコツはありますか?
CRMとSFAの違いは何ですか?
CRM(Customer Relationship Management)は「顧客関係の管理」を目的とし、顧客情報の蓄積やサポート対応、フォローアップを効率化するシステムです。一方、SFA(Sales Force Automation)は「営業支援」に特化したツールで、商談管理や案件進捗の見える化、営業活動の分析に強みがあります。
つまり、CRMは「顧客全体との関係を深める」ための仕組みであり、SFAは「営業担当の行動を支援する」ための仕組みです。
どのくらいで効果が出ますか?
CRM導入の効果が現れるまでの期間は、企業の規模や運用体制によって異なります。一般的には、導入後3〜6か月で業務効率の改善やデータ共有のスムーズ化を実感できる企業が多いです。
ただし、売上向上やリピート率アップといった成果は、データが蓄積されてから徐々に表れます。短期間で成果を求めすぎず、運用ルールを定着させ、定期的に改善を重ねることで長期的な効果を得られます。
導入後に運用を定着させるコツはありますか?
あります。CRMを定着させるためには、システム導入を「目的」ではなく「手段」として捉えることが重要です。最初から複雑な機能を使いこなそうとせず、まずは必要最低限の機能だけを運用し、慣れてから範囲を広げていくのが効果的です。
また、社員全員が使いやすいルールを設定し、入力・更新を習慣化することが定着の鍵です。定期的に運用状況をチェックし、現場の声を反映して改善を続けることで、システムが組織に根付きやすくなります。
中小企業の顧客管理を効率化したい方へ
まとめ|自社にあった顧客管理システム(CRM)を活用しよう

本記事では、中小企業におすすめの顧客管理システム(CRM)や導入のメリット・デメリット、注意点を解説しました。
CRMを導入すれば、顧客情報の一元化や営業効率の向上、顧客満足度の向上など、限られた人員でも大きな成果を生み出せます。一方で、費用や運用負担などの課題もあるため、導入目的と社内体制を明確にした上で検討することが大切です。
自社の業務内容や規模に合ったCRMを選び、継続的に運用・改善することで、顧客との信頼関係を深め、売上の安定と成長につなげられるでしょう。









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